LT240:概要
LT240は、直径Ø20~240 mmの丸パイプ、角パイプ、矩形パイプ、異形管(楕円など)に対応し、1.5 kW~6 kWのファイバーレーザー発振器を搭載した汎用パイプレーザー切断機です。フルストロークのエアチャックが各パイプを自動で芯出しするため、サイズ変更時の段取り替えがほとんどかかりません。

技術仕様
| パイプ径 | 20–240 mm |
|---|---|
| 対応形状 | 丸、角、矩形、楕円 |
| レーザー発振器 | 1500–6000 W ファイバー |
| 位置決め精度 | ±0.03 mm |
| チャック | フルストローク式エアチャック、自動芯出し |
| 加工材質 | 炭素鋼、ステンレス、アルミニウム |
| ソフトウェア | ネスティング機能付きパイプ切断ソフト |
| 認証 | CE、ISO 9001 |
| 保証 | 機械本体24ヶ月(消耗品除く) |
安定性を左右する3つの要素
同じ仕様書のパイプレーザーでも、1年後には大きな差が出ることがあります。安定性を決めるのは、①刻一刻と安定した出力を維持するレーザー発振器、②摩擦を抑えてスムーズな軸移動と直進性を保つリニアガイド、そして③コントローラーからの指令を切断ヘッドやチャックの速度・位置に正確に反映させるサーボモーターの3つです。見積りの際はそれぞれのメーカーを確認し、そこを基準に比較してください。
角パイプ・矩形パイプの切断
丸パイプは、ヘッドの下を材料が一定の距離で通過するため比較的簡単です。一方、角パイプや矩形パイプでは、パイプが回転しながらコーナー部に追従する必要があります。このとき、速度と出力を適切に制御しないと、コーナーが焼けたりバリが残ったりします。優れたパイプ切断ソフトは、コーナー部で減速し出力を調整するとともに、仕入先ごとに異なるコーナーR(隅R)も自動で補正します。デモ機だけでなく、実際に自社で使用している材料でのカットサンプルを必ず確認してください。
エッジ検出と実際のパイプ
市販のパイプが完全に真っ直ぐで、歪みがなく、中心が出ていることはまずありません。そこで重要になるのがエッジ検出です。切断前にヘッドがパイプを探って実際の位置やねじれを検出し、プログラムを補正します。見積りのソフトウェアにこの機能が含まれていることを必ずご確認ください。長尺のパイプに多数の穴あけ加工を行う場合、このステップの有無が「図面通りの位置に最後の穴があくか」を決定づけます。
ネスティングと歩留まり
ソフトウェアは、素材の長さに合わせてパーツを隙間なく配置します。2つのパーツが直線切断を共有する場合、1回のカットで両方を切り出すこと(共通線切断)ができ、時間と材料を節約できます。残材となるのは、最後にチャックが掴んでいた端材(テール)です。高価なパイプを使用する場合は、各社のテール長を比較してみてください。デュアルチャック仕様のLT240Sは、この端材を短く抑える設計になっています。
まずはパイプの要件を書き出す
| 項目 | 確認すべきポイント | よくある間違い |
|---|---|---|
| 直径 | 現在扱う最小・最大径、および3年先に見込まれるサイズ | 現在の注文分だけを見る |
| 肉厚 | 材質ごとの最大肉厚 | 最大値ではなく平均肉厚で考える |
| 材質 | 炭素鋼、ステンレス、アルミ、真鍮の比率 | 高反射材への配慮を忘れる |
| 加工内容 | 切断、穴あけ、サドルカット、開先 | サドルや開先加工を過小評価する |
| ロット傾向 | 大ロット少品種か、多品種小ロットか | ロットサイズを確認せずにローダーを選ぶ |
| 公差 | 長さ、角度、端面品質の数値要件 | 数値ではなく「高精度」とだけ書く |
このリストを作成しておけば、条件を満たさない機械はすぐに除外でき、残った機種の比較が非常にスムーズになります。
手動ローディングか自動ローディングか
バンドルローダー(自動材料供給装置)が真価を発揮するのは、毎日同じサイズのパイプを大量に加工する場合や、2交替制で稼働させる場合です。多品種小ロットでサイズ変更が頻繁な現場では、手動でセットする方が柔軟に対応でき、セミオートのラックで十分な場合がほとんどです。デモ機の仕様にとらわれず、「1日の加工本数」と「1シフトあたりのサイズ変更回数」で判断してください。
よくあるトラブルと対処法
| トラブル | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 角パイプのコーナー部の焼け・バリ | コーナー部での速度・出力の不適切な制御 | コーナー設定の活用、実際のコーナーRの入力 |
| 長尺パイプの穴位置のズレ | パイプの反りやねじれの未補正 | エッジ検出の実行、真直度公差外の材料の排除 |
| パイプ内部のスパッタ付着 | レーザー光が抜け切って反対側の壁に当たっている | ピアシング(貫通)パラメータと切断順序の調整 |
| 溶接ビード上に穴が重なる | 溶接シームの位置に対する配慮不足 | 製品形状が許す限り、切断前にシームの向きを調整 |
| パイプ全体で切断面の品質にムラがある | 汚れやノズル損傷による高さセンサーの誤作動 | センサーの清掃・キャリブレーション、ノズルの交換 |
価格を決定づける要因
| 項目 | オプション | 価格と用途への影響 |
|---|---|---|
| レーザー出力 | 1.5–6 kW | 厚板の加工、および中板の処理能力向上 |
| ベッド長 | 標準長さまたはロング仕様 | 長尺材料の使用により、段取り回数とパーツあたりの端材を削減 |
| ローディング | 手動、セミオート、バンドルローダー | 加工数量とサイズ変更の頻度に応じて選択 |
| ソフトウェア | ネスティング、3Dインポート、共通線切断 | プログラミングの効率化と材料歩留まりの向上 |
LT240の価格はお見積りとなります。
PCLパイプレーザー製品群における位置づけ
| モデル | パイプサイズ | 出力 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| MAK100 | Ø10–100 mm | 1.5 kW | エントリーモデル、小径パイプ向け |
| LT120S | Ø120 / □120 mm | 1.5–3 kW | 側面配置、最大10 mmの厚肉管向け |
| LT240(本機) | Ø20–240 mm | 1.5–6 kW | 丸、角、矩形、楕円の全般 |
| LT240S | Ø/□20–240 mm | 1.5–6 kW | 側面配置、デュアルチャック、200 kgの重量パイプ対応 |
| LT360 | Ø20–360 mm | 1.5–6 kW | 大径対応、6mまたは9mの長尺材 |
お問い合わせから生産開始までの流れ
- パイプリストとサンプルの確認 主要なパイプサイズ、材質、1日の加工量、パーツ図面をご送付ください。
- 仕様決定とレイアウト設計 チャックサイズ、ベッド長、発振器、ローディング装置を決定し、設置スペース、電源、エア配管の位置を示したレイアウト図面をお送りします。
- 製造とテスト 出荷前に機械の組み立てとテストを実施します。納期は見積書にてご確認いただけます。
- 設置準備 機械到着までに、水平な床面、電源、チャック・アシストガス用の圧縮空気、集塵機の準備をお願いいたします。
- 据付・トレーニング 据付およびオペレーター向けトレーニングは機械本体と共にお見積りいたします。プログラミング、ネスティング、日常点検、パラメータ調整等を習得いただけます。
- サポート 機械本体は24ヶ月保証(消耗品除く)。
ご注文前の確認事項
- 生産量の大部分を占めるパイプサイズ、および最大サイズ
- 対応形状:丸、角、矩形、楕円、その他
- パイプの仕入先情報と、角パイプのコーナーR
- ローディング方式の選定基準となる、1日の加工量とロットサイズ
- パーツのプログラミング担当者と、使用するCADフォーマット
メンテナンス
| タイミング | 点検項目 |
|---|---|
| 毎日 | 保護ガラスとノズルの清掃、チャック爪の点検、スラッジトレイの清掃。 |
| 毎週 | チャックおよびガイド部のダスト清掃、エアフィルターのドレン抜き、高さセンサーの点検。 |
| 定期 | ガイドおよびラックへの給油、チャックのエアシール点検、チラー水の交換。 |
パイプレーザー加工機の安全性について
パイプ切断特有の注意点が2つあります。パイプが回転するため、加工エリアの外側に数メートル飛び出ることがあり、チャックの回転中はベッド周辺をクリアに保つ必要があります。また、切断時にはパイプの反対側にレーザー光が抜けるため、切断ゾーンは必ず完全に囲うかシールドする必要があります。ドアのインターロックやライトカーテンを正常に作動させ、切断エリアが開放されている場所ではレーザー波長に適したレーザー保護メガネを着用し、コーティング管や亜鉛メッキ管を切断する前には集塵機を接続してください。
メリットと制限
メリット
- 1台で4種類の形鋼に対応
- クイック段取り替えを実現するセンターリングチャック
- 最大6 kWまでの幅広い出力選択
制限事項
- 重量パイプのエンドローディングはサイドローディング(LT240S)よりも時間がかかります
- デュアルチャック設計に比べて端材(テール)が長くなります
- 240 mmを超える場合はLT360をご検討ください
LT240に関するよくある質問
LT240で加工できるパイプサイズは?
丸パイプ、角パイプ、矩形パイプ、楕円パイプでØ20〜240 mmに対応しています。
出力はどれを選ぶべきですか?
1.5 kW〜6 kWからお選びいただけます。薄肉には低出力が経済的で、厚肉やスループット重視には高出力が適しています。
曲がりやねじれのあるパイプへの対応は?
エッジファインディング機能により対応します。切断前にパイプをプロービングし、実際の位置やねじれに合わせてプログラムを補正します。材料の個体差が大きい場合は、サンプルパイプを数本お送りいただきテストすることをおすすめします。
LT240とLT240Sの違いは?
対応サイズ範囲は同じです。LT240Sには、重量パイプ用のサイドローディング機構と、端材を短くするためのデュアルチャックが追加されています。
角パイプのコーナーもきれいに切断できますか?
はい、コーナー設定を行い、お使いのパイプの実際のコーナーRを入力することで可能です。サプライヤーから支給されたパイプのサンプルでご確認ください。
サンプルの切断加工は可能ですか?
はい、図面、パイプサイズ、材質をお送りください。
自動ローディング装置は必要ですか?
同じサイズのパイプを毎日大量に加工する場合や2交替稼働の場合は、通常導入する価値があります。多品種少量生産の場合は、手動または半自動ローディングの方が柔軟に対応できます。
選定ガイドですべてのパイプレーザー切断機を比較してみてください。
加工するパイプサイズと年間使用量をお知らせください。 最適な出力をご提案の上、LT240のお見積りを作成いたします。
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